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2005年 05月 04日
今週は、デモ、です。
戒厳令下で残業無しの麗しの日々です。 最初は「義務教育における宗教(カトリック)教育を廃止する」という政府の 一方的な決定に対し、教会が人々を動員してのデモでした。 でも先週あたりから単なる反政府デモに転換し、地方からトラックの荷台に すし詰めで人々が首都ディリに駆けつけ、デモを繰り広げるようになって 来ました。暴れるためにやってくるんだから、火くらいつけないと気がすまない。 その雰囲気は、まさに2002年独立直前の大暴動にだんだん似てきている、 というからすごい。 何が不満なのか? いろいろあるけれど、まずは総理大臣が不人気。若干独裁的で市民、教会など との対話をしない上、最大与党の自党に都合の良い政策ばかりを打ち出している のがまずい。さらに独立以前はゲリラ、市民を率いて、社会的に重要な役割を 演じていていた教会も、独立後は求心力を失い面白くないので、市民をあおる。 さらに、非常に巧妙にデザインされた超間接民主主義のシステムが、人々から 政治への参加の機会を奪っており、現政府への不満のはけ口が無いんですね。 よく見てみると東ティモールの民主主義は、実は似非民主主義チックです。 政治的権限が殆ど無くお飾り的存在の大統領は直接選挙で選ばれ、実際政府 を動かす総理大臣は議会指名によるところが、まず不思議。 現在、議会、総理大臣、閣僚ともに超与党一党に率いられているので、進行中の 法律制定は、微妙に彼らに調子よく設定されています。大統領は全く蚊帳の外。 こんなちっこい国でなぜ大統領と総理大臣がいるんだ?? さらに地方政治を担う地方首長(県知事、市長)が、中央政府からアポイント される一方、全く政治的決定権の無い村長選出は莫大なお金を掛けて選挙で 選びます。 村長なんて、村で石ころで投票していれば十分です。 つまり、中央・地方共に一応選挙はしているので、外に向かって「民主主義です」 と言える一方、実は選挙結果は実際政治に全く影響を与えない構造になっている。 実際アメリカ並みの小ずるさだ、と感心しちゃいます。しかもこれだけ外国人 アドバイザーが政府に付いていながら、なぜ誰も指摘せずここまで来ているんだ? 絶対、確信犯。アフガンの民主主義もこんなものなのか? ちなみに先週は毎年恒例の「ドナー会議」なるものがディリで行われ、トップ ドナー30カ国近くが集まり、政府が「お願いリスト」を読み上げ、ドナーが プレッジするというすさまじい会議がありました。これほど露骨な「あげる人、 もらう人」の構図って衝撃的でした。(しかもお願いリストは皆外国人アド バイザーが作っているという・・。) その会議が開催されるディリ唯一の高級ホテルの前は一般市民が立ち 入り禁止となり、ドォーッと外交団ナンバーの車が50台くらい連なり、 そこから300メートルくらい離れたところで反政府デモが行われているという、 非常に絵になる光景でした。 ということで、今反外国人感情も自然に高まってます。政府には世界中からの 「アドバイザー」が100人近く入っているので、政府憎けりゃアドバイザー も憎い。単に高給取り外人が憎い、というのも当然あります。それはとても 当然の感情だと思います。 ここのところ夜中に出歩いていた外国人がちょこちょこと襲われています。 (酔っ払ってたポルトガル人がボコボコに殴られた挙句、教会に連れ込まれ 無理やり懺悔させられたという、これまたすごい襲われ方・・。) 私も今後しばらく自宅謹慎です。 しかし、本気で怖いのは家が焼き討ちにあうことくらいですかね。 ここは爆弾や銃、ナタとかが無いので、焼き討ちしかありません。 実は昨夜夜中に町の人の声で目を覚まし、怖くなって急に緊急逃げ出し 手荷物をこさえ、近所に住む友人に電話したら、「あの声はラジオっすよ」 とあっさり言われ・・・。 大迷惑を掛けてしまいました・・・。すみません。 ちなみに東ティモールにはワニ伝説があり、ディリの海にワニが出た時は、 良くないことが起こる、と言われていました。 実は今年の1月にディリにワニが出て、「最後にディリでワニが出たのは2002年 だった。。。」と皆が言っているのを聞いて、「おっ、じゃ今年も暴動?」と 笑い飛ばしていたのが、だんだん笑えなくなってきたところです・・。 次回のお便りでは暴動も無くデモは鎮静化されました、とお伝えしたい ところです。 あぁそれともやっぱり閣僚解散かしら・・・。 そうなったらUNDPガバナンス部も解散だわ・・・。 (今も市内にたくさん残る暴動の際に破壊された建物)
by nomadm
| 2005-05-04 12:55
| 東ティモール
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