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2006年 05月 12日
引越しのことばっかり書いていて、肝心の仕事はしているのか? っていう感じの私ですが、実際頭の中は引越しで一杯でした(おほほ)。 で、いい加減にしろ!ってことで地方巡業に1週間出てきました。 尋常を逸したおしゃべりなフェミおばさん2名(しかもいつもお互いけんかばっかりしてる!)と、マッチョでいつもこの2人とバリバリ緊迫ムードをかもし出すおじさん1名との計4名での地方巡業・・・・。 考えただけで疲れますが、もうどうにでもなれ、って感じで出発。 実際このおばさん二人は本当に喧嘩っ早いし、よく喋る。 会議中もしばしば「一体どんな電池が入ってるんだ?」と一人感心して喋り続ける二人を見入ったりしている私。 今回も何度もクロロホルムの染みたハンカチを彼女らの口元に持っていきたい衝動にかられましたが、まぁ堪えました。なんとか。 でも実際には非常に優秀だし、損得勘定無しに女性のために仕事がしたい、という彼女らのCommitmentの高さには本当に頭が下がります。 全く好みじゃないやたら気の強い女の子に何かの拍子で惚れてしまい、以来普通の優しくて美人の女の子にピンと来なくなった、みたいな感じで、最近なにかこう淡い愛情のようなものを二人に感じ始めている私です。 彼女達とは「何寝とぼけたことを?」と思うツボが、全く同じなんですね。結局これがお互い信頼し始めた理由だと思うのです。これって大事な点で、他の上司や、えらいけどトンチンカンなコンサルがとぼけた助言や提案をすると、「はぁ?何を寝とぼけたことを?全然分かってない」と一緒に思える同僚は意外に得がたい。 今回の巡業は、地方レベルでのプロジェクトプレゼンと、聞き取り調査。 警察、司法、医療、教育界、NGOとまわって地元の女性暴力と少女の性搾取状況とその対策を聞いて回ります。 中米はもともと想像を超えた女性差別と暴力が伝統的に存在する地域です。 今回特に印象に残ったのが、エルサルバドルでの両親がアメリカへ渡ってしまい、祖父母、叔父などに育てられている少女達の性暴力被害のひどさ。とにかく両親はいないし、ドラッグは入ってくるし、先生や医療関係者も仕返しが怖くて少女の被害届けを出せない状況だし、という荒れ果てた街は、やはりグローバリゼーションの弊害をしみじみと感じ入ります。 少女といっても12歳くらいです、皆。 一方でグアテマラ国境のホンデュラスの町には毎日50人乗りのバスが7台から10台、アメリカ、メキシコから追い返されてきた違法移民を載せて到着します。国境を越えると、バスから降ろされ、後は着の身着のままで、故郷にヒッチハイクで帰ります。無事に帰れる女性は少ないはず。 国際ニュースで報道されるような紛争国ではないけれど、働き盛りをアメリカに取られ、銃とドラッグが入ってきて、子供達が育つ家族自体が蝕まれている中米は、アイデンティティーも失い、グローバリゼーションに少しずつそっと首を絞められているような気がします。
by nomadm
| 2006-05-12 22:32
| ホンデュラス
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